2017-04

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『ちびくろサンボよすこやかによみがえれ』目次

 1999年5月、『ちびくろサンボよすこやかによみがえれ』(径書房、2400円+税)という本を出した。今から、もう9年前になる。
 このブログを読んでくださった方から、「『…よみがえれ』を書いた灘本昌久と、このブログを書いている灘本昌久が同一人物であることにやっと気がつきました」という趣旨のメールをいただいた。ははは。(^^;;;;
 確かに、一見すると『…よみがえれ』は絵本の話のようであり、このブログとは別世界の話である。しかし、『…よみがえれ』の本の帯のキャッチコピーに「人間をいたわるかのごとき運動は、かえって多くの兄弟を堕落させた。―全国水平社創立宣言より」と書いてあるように、単なる絵本論として書いたわけではなく、部落解放運動をはじめとする、様々な反差別運動に共通する運動の歪みや挫折の原因について書いたつもりである。
 とりわけ、第5章の「反差別の思想―被差別の痛み論批判」のところは、被差別に安住し、ルサンチマンをエロスの源泉として生きていくことが、いかに差別からの自己解放にとって大きな落とし穴になるかということについて、力を振りしぼって書いた。
 この記事を書くのにひさしぶりに自分の本を読んでみたが、まぁ、がんばって書いたなと思う。今日の同和不祥事の本当の原因を言い当てていると自分では思っている。
 まだ読んでいない方は、是非とも読んでください。どこか、近くの図書館にでもあるでしょう。参考のため、目次を載せておきます(ちょっと長いけど)。特に、第5章にご注目ください。
 できたら、部分的にでもウェブ上で読めるようにしたいとは思っています。作業しますので、しばしお待ちください。


ちびくろサンボよすこやかによみがえれ 目次

はじめに
第1章 サンボ絶版
  私と『ちびくろサンボ』の出会い―未知の世界への入口
  本が消えた!―『ちびくろサンボ』絶版
  子どものための推薦図書に選ばれる―歴史と評価
    サンボの誕生
    サンボの人気
    黒人にとっても名作だった
第2章 反サンボ運動の論拠アメリカ・イギリス・カナダ
  それは一九四五年十二月に始まった
    反サンボキャンぺーン[この物語を撤去しろ!]
    ワシントン・ポストの批判と反応[反サンボキャンペーンは過敏症です]
    だれが言い始めたのか?[サンボ=差別語]
    はじめはイラストが問題だった[黒人をおとしめるカリカチュア]
    サンボは非文化的で異常な食欲の持ち主です
       [黒人の未開性を示すストーリー]
    時代とともに変わる[差別の認定]
  反差別運動のいきすぎ―風と共に去りぬ
    ハティー・マクダニエル排斥運動[黒人がマミー役を演じたら攻撃します]
    再評価[ゆれる反差別運動の評価]
  カナダの反サンボ運動
第3章 反差別運動の正義 日本
  腑に落ちない反差別運動―なにが問題なのか
    議論する必要はない…………という論理
    世界中で絶版になった………という誤解
       イギリス
       アメリカ
    1冊ぐらいなくなっても………という論理
       キーツの反論
    出版社・マスコミの勉強不足
  差別語の判定―言葉狩り
    「サンボ」差別語説
    「マンボ」「ジャンボ」差別語説
    「サンボ」「マンボ」「ジャンボ」の語源
       アフリカ起源説
       アメリカ奴隷起源説
       シェルパ語起源説
    差別の基準はどこにおくべきか
       エスキモーは差別語か?
       ぞうりかくしチュウレンボウ
       馬鹿でもチョンでも
       強圧的な「正義」を疑え
  日本版『ちびくろサンボ』批判の集大成―末吉論文
    社会的文脈のなかで『ちびくろサンボ』を読むべきです
       イラストの差別性
       名前の差別性
      〝黒人=BOY″という差別性
      〝サンボ=奴隷″という差別性
       へレン・バナーマンの問題
       あなたは黒い肌を美しいと感じるでしょうか?
    裏返しの反差別論
       黒人にとっての不快感―サンボ・ステレオタイプ
       アメリカの罪
       芸術的な深読み
  岩波書店版『ちびくろサンボ』の文脈―黒い憂鬱
  文化圏を超えた差別?
  これは差別語と教えましょう―逆立ちした教育
  偽善的ヒューマニズム
第4章 『ちびくろサンボ』の現在
  よみがえる『ちびくろサンボ』―改作
    アメリカ
       レスター=ピンクニー版
       フレッド・マルチェリーノ版
       ジュディス・ラッセル版など
       反響
    日本
       ブラック・サンボくん
       チビクロさんぽ
       おしゃれなサムとバターになったトラ
       トラのバターのパンケーキ
  改作の評価
    差別論からみた改作の評価
    文学論としての改作の評価
    サンボと「ピーターラビット」の関係
第5章 反差別の思想[被差別の痛み論批判]
  差別される痛み―被差別者割引
    同和はこわい考
    被差別の痛みを疑え
    マイナスのセルフ・イメージ
    差別といかにむきあうか
      『蘭学事始』と「穢多の虎松」
       大河ドラマ「最後の穢多頭十三代弾左衛門」
    被差別者の被害妄想
  エロスの源泉―差別という甘い関係
    過剰な被害者意識
    ルサンチマンと欲望
  反差別運動の基盤喪失―反差別運動の存在理由
    対抗主義
       ある紅衛兵の告白
       左翼小児病の革命家
       社会浄化運動
       ちびくろ救援隊Tシャツ事件
  ヘイト・クライム―憎悪罪
  ふたたび『ちびくろサンボ』について
  おわりに

  付録

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ちびくろサンボ論争

 岩波書店版『ちびくろサンボ』が、4月に瑞雲舎から復刊されるという報道がなされ、ちびくろサンボ論争が再燃しそうです。すでに、私のところへも取材が何件かきています。
 論議がすすむこと自体は歓迎ですが、本当に生産的な議論になるか心配な点もありますので、少し問題提起というか、気のついたことを書いてみます。
 第1に、ちびくろサンボ論争は、子どもたちに与える絵本をどのように豊かなものにするかという観点からなされるべきであり、人権や言論の自由をめぐって大人の間でなされる血みどろの戦いであってはならないと思います。これは、自分の反省もこめてでありますが、今までは、ややもすると正義の刃を振りかざしての、仁義なき戦いの観がありました。そんな争いを展開して、大人たちは子どもに何を伝えるのでしょうか。「子どもたちよ、喜べ。この屍(しかばね)の上に絵本の大義は守られたぞ!」ですか。あまり、よい風景ではないですよね。
 第2に、最低限度の事実関係と過去の論議はふまえてもらいたいと思うのです。取材をされるマスコミの方も、お忙しいとは思いますが、「『ちびくろサンボ』はいつどこで出版されたのですか?」みたいなところから質問するのは、どうかと思います。最小限の勉強はしてから、論争に参加するなり、取材するなりしてもらえませんでしょうか。手前味噌ですが、下記の3点は最低限読んでいただきたいと思います。
 (1)ヘレン・バナマン作・絵『ちびくろさんぼのおはなし』(径書房、1999年)
    ※ オリジナル絵本の忠実な復刻絵本
    <http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4770501730/>
 (2)径書房編集部編『ちびくろサンボ絶版を考える』(径書房、1990年)
    ※ ちびくろサンボ論争の事実関係の整理
    <http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4770500874/>
 (3)灘本昌久『ちびくろサンボよすこやかによみがえれ』
    ※ さらに詳しい、論争の歴史
    <http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4770501714/>

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