2017-10

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お涙頂戴

 「たかじんのそこまで言って委員会」。無事、放送終了。
 村太郎さんのがんばりは、おおいに讃えます。村さんが、あの場に出てきて、あれだけのことを語るのは、なかなかたいへんだったでしょうし、番組終了後も、いろいろたいへんかもしれません。同情します。
 しかし、出だしは悪くなかったと思ったんですが、最後まで見ると、なんとも古臭いお涙頂戴の結末になりましたねぇ。「胸を張って生きて行ってください」だなんて。あんな暗い番組になったら、部落は差別されてもしかたがないな…。まぁ、参加することに意味がある、部落問題をテレビで取り上げたことだけでもいいとしましょうか。
 確かに、村太郎さんとしては、明るく語りようがないことは理解できます。猿回し自体が、地元山口では差別の対象で、やっと部落からなくなったと思ったら、村さんのお父さんが復活させて、地元部落からは猿回しを白眼視され、学校でも部落がマイナスの存在として扱われていたのだから。
 『アエラ』2008年11月3日号にこの番組のきっかけになった栗原美和子さんの『太郎が恋をする頃までには…』(幻冬舎、2008年10月)の話が載っています。タイトルは、「歴史とたたかう結婚 フジテレビ栗原美和子「夫は部落出身者」、猿まわし師村太郎の独白」。そこに、いろいろな経緯が書かれているのですが、特に気になるところは、p.17です。栗原さんが小説を書くにあたって、「太郎の最大の注文は、物語をハッピーエンドにしてほしくないというものだった。「いろいろあったけど幸せになれるんだ、では意味がないんだと思う。僕たちはたまたま幸せな結婚ができた。でもそこに至らない人たちはたくさんいる。それを問いかけるものにしてくれないか」」。というところです。実際の話は、お母さんが反対したといっても、比較的ハッピーエンドなのに、なんで小説に書くときには重い話にして、妊娠のうえ離婚するみたいな暗い結末にならなくてはいけないのか、まったく理解に苦しみます。差別を語るときは、重大深刻なものとして語らなくてはならないという、ルサンチマン型部落解放運動の悪しき影響でしょうかねぇ。この小説を書くことをすすめた幻冬舎社長の見城徹さんは、善意だったのかもしれませんが、結果的には相当の悪趣味といわなくてはなりません。そもそも、私自身はこの小説をあまり評価していないのです。そのことを先にこの番組づくりを請け負っている制作会社の担当者に言っておくべきでした。後悔先に立たず。
 差別の問題で、重要なことは、被差別の側の差別への向き合い方であることを、今まで20年間ぐらい、繰り返し繰り返し主張してきましたが、今回も、それを叫ばずにはいられません。被差別の側の物差し、価値観が、差別する文化の物差しのままでは、そして、被差別者の中で自分の存在がマイナスのままでは、差別は乗り越えられないと。
 「たかじん…」の前回のヒットが、今回のダブルプレーで台無しですね。まぁ、成功もあれば失敗もある。人生山あり、谷ありです。これからは、番組の構成や結末のもっていきかたに、よくよく警戒しておかなくてはいけないと思いました。

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